FEB/2023
ある日の越美北線の運行情報。
大雪により運行取りやめとあります。
冬の間には、こんなことが何回もあるようです。
奥越。
このことばからは、山深く、人の往来も少ない鄙びた場所を想起させます。
越前の奥深き場所。
そんな奥越にある越前大野へ、雪の降り積もる時期にずっと行ってみたいと思っていました。
伊勢丹の地下でお弁当を買って、サンダーバードに乗り込みます。
この日は普通指定席は満席で、かろうじてグリーン車に空席がありました。
やはり蟹と温泉が目当ての人が多いのでしょうか。
2024年には北陸新幹線がやってくる福井駅。
その奥まったところに越美北線のホームがあります。
車両は一両のみ。
出発時刻(14:54)には、満席となりました。
福井から越前大野までは約1時間。
足羽川沿いにディーゼル音を響かせながら進んでいきます。
福井駅を出るときは青空が広がっていましたが、進むにつれて雪雲が広がっていき、窓の外も雪深くなっていきます。
定刻(15:51)に、越前大野に到着。
越前大野駅から徒歩で投宿先へと向かいます。
「俵屋旅館」
この町には洒落た外資系ホテルなどありません。
昔ながらの宿に泊まってみたいと、この越前大野へやってきたのです。
部屋の窓から見る中庭は、雪で真っ白。
池があるそうですが、まったく判別不能です。
「七間通り」
城下町であった越前大野のメインの道路だった七間通りは、越前と美濃を結ぶ美濃街道の一部でもありました。
古い町並みが残る風情ある佇まいを見ることができます。
そんな七間通りにある南部酒造にお邪魔しました。
銘酒「花垣」で知られる酒蔵です。
好みのお酒を求めるとともに貴重な古酒を試飲させていただくなどしました。
「越前おおの冬物語」
日が落ちるとともに、町は華やかな装いを整えていきます。
実は3年ぶりとなる冬のイベントが開催される日だったのです。
何も知らずに訪れましたので、嬉しいハプニングとなりました。
「冬花火」
広場では花火も打ち上げられていました。
約300基あるという雪見灯籠。
ほのかな灯りに照らされる雪に、雪国ならではの情緒を感じます。
「越前大野城」
凍てついた夜空に照らし出される天空の城。
ここ大野の地は、越前松平家から土井家の所領となり、明治時代を迎えました。
「イチナナバル」
夜遅くまでやっているお店がありました。
少し飲みたいと思って、店に入りました。
洋風居酒屋なんてカテゴリーで紹介されていましたが、それよりずっといい感じのお店です。
こちらのバルでは、写真映えするライトの貸し出しがありました。
なんと無料で借りることができるというので、早速お借りして写真を撮ってみました。
なんにもない冬の越前大野を楽しもうと思ってたのですが、イベント盛々の越前大野になりました。
「朝食」
飾り気のないごく普通の朝食。
見た目は貧相に感じますが、これがいいのです。
「芋きんつば」
七間町朝市名物の芋きんつば。
朝市名物というだけあり、朝早くから買い求めることができます。
これを食べずに越前大野から帰ることはできません。
出来たては、ほくほくとしていて、芋の甘みが口いっぱいに広がります。
帰りはバスで福井に向かいました。
07時16分の列車を逃すと、なんと11時30分まで列車はないのです。
福井駅前の昭和レトロな喫茶店に入り、帰りのサンダーバードまでの時間を調整しました。
メニューに「ミルクセーキ」の文字を見つけて小躍りしました。