JAN/2024
毎年1月には博多を訪れます。
今回は少し足を伸ばして、柳川まで行くことにしました。
西鉄天神駅から西鉄特急に乗ります。
※写真は太宰府行きの車両です。
太宰府までは何度か乗ったことがあるものの、その先は未知の世界。
いや正確には遥か昔に乗ったことがありますが、その記憶が定かではないのです。
子どもの頃は筋金入りの乗り鉄でした。
そして地図にある路線図を毎日眺めては空想旅行をする子どもでした。
そんな鉄道好き、地理好きの子どものために両親は日本各地の鉄道を乗りに連れていってくれたのでした。
西鉄特急にはじめて乗ったのは小学校1年生のとき。そして全線開通したばかりの山陽新幹線「博多駅」から京都まで帰ったのを覚えています。
そのときに訪れたのは、水郷柳川。
北原白秋の生家前での父との記念写真が残っています。
ただ有名な川下りをしたのかどうかは定かではありません。
川を下るどんこ舟には、日本人よりも外国からの人たちのほうがたくさん乗っているように思われました。
柳川の町に網目のようにある掘割は、柳川の景観を美しいものにしています。町歩きをしていてとても楽しいのです。
親に連れられて宿泊したのは、柳川藩主立花家の別邸だった「御花」でした。
柳川といえば、鰻のせいろ蒸しが有名です。
もちろん鰻もいただいたことを覚えていますが、それ以上に覚えていたのは仲居さんのことばです。
「鰻もいいですけど、冬には鴨をお出ししているんですよ」
どうして小学校1年生の子どもがそんなことを覚えていたのでしょうか。
我ながらおかしいと思うのですが、「柳川といえば鴨」がずっと頭の片隅にあったのです。
それを確かめたくて、柳川へ、そして御花へやってきました。
「柳川藩主立花家別邸 御花」
正門から入ると立派な西洋館が目に入ります。
「集景亭」
名前を告げると、料亭として使われている集景亭へと案内されました。
「松濤園」
部屋からは立派な庭園を眺めることができます。
しばし料理が運ばれてくるのを待ちます。
「前菜」
正月らしさの残る食材もあり、どれも酒の肴にいいものでした。
「造里」
「吸物」
「替鉢/鴨鉄板焼」
これだったんですね。
ほぼ半世紀のときを経て、ようやく巡り合うことができました。
こちらの特徴は、鴨にはバターです。
そう、鴨をバターで焼くのです。
奇をてらっているのかと思いましたが、それが立花藩主好みだったそうです。
そして、それが正解だと思わせる素晴らしさ。
そして鴨ネギならぬ、鴨とリンゴ。
これもまた、すべてが計算された完成形だったのです。
素晴らしすぎる。
ぜひとも彼の地にて、試していただきたいと思います。
「デザート」
シンプルでおいしい。
出過ぎないところが、締めくくりに相応しいと思います。
鴨の鉄板焼は、季節ものです。
11月の禁漁明けから2月までのものだそうです。
柳川という町に惚れこみました。
そして、ぜひまた定期的に訪ねてみたい。
そう強く思っています。