MAR/2020
松阪駅から伊勢市駅までは近鉄急行でわずか1駅。
この伊勢市駅が外宮への最寄り駅となります。
外宮門前あたり、宮川から勢田川にある平野部が山田と呼ばれる地域になります。
伊勢市駅で降りると、すぐ目の前に外宮参道があらわれます。
ここを最後に訪れたのは、昭和の終わりか、平成のはじめの頃。
ベタで下品な観光地だった思い出しかありませんが、来てみてなんともまぁびっくり。
洒落たカフェなどが立ち並んでいます。
「へんば餅」
老舗のへんば餅も少し洒落た感じです。
素朴な味わいのへんば餅。
シンプルなだけにごまかしがきかないものだと思います。
お土産に10個入りを購入。
「しんみち商店街」
洒落たお店もいいですけど、昭和な香りを探しに行きます。
「虎屋ういろ本店」
商店街の入り口には虎屋ういろの本店。
同じ虎屋でも、京都や東京にある羊羹で有名な虎屋とは違い、ごくごく庶民的なお店です。
奥に進むと、予想以上に終わってる感が漂っています。
The 昭和。
令和の時代に結納をする人ってどれぐらいいるんでしょうか。
「三重カラオケ大会」
見たことも聞いたこともない出演者ばかり。
このご時世ですから、中止にならないことを祈るばかりです。
「山村牛乳」
地場のミルク屋さんの看板。
いいですねぇ。
直営店舗があるようなので行ってみましょう。
「みるくがっこう」
牛乳をはじめ、ソフトクリームやぷりんなど、牛乳を使って作られた商品がたくさんあります。
無難に牛乳を選択。
腰に手を当てるポーズをきめて、ゴクゴクと牛乳を飲みます。
おいしい牛乳でした。
「外宮」
ここは外から眺めるのみ。
「宇治山田駅」
国の登録有形文化財にも指定されているという宇治山田駅。
荘重な外観をもち、内部は広々とした吹き抜けとなっています。
「しまかぜ」
15:32 発の京都行きの「しまかぜ」に乗車します。
しまかぜのキャッチコピーは次のようなもの。
「上質のくつろぎとともに伊勢志摩へ」
今までにない「乗ること自体が楽しみとなる」鉄道の旅をご提供するために、様々な設備やサービスをご用意しています。
さて、どんな上質が提供されるのでしょうか。
「プレミアムシート」
3列シートとなっており、シートピッチは125cmとゆとりある設計となっています。
観光シーズンともなると、土日はなかなか予約がとれないと聞いておりましたが、昨今のコロナウィルス騒動のせいで、簡単に予約がとれました。
簡単どころか、予約画面では座席が選び放題となっていました。
そのため1人でしたが、2人掛けシートの通路側(いちおう保険をかけて)を予約したところ、案の定隣席は空席となり、非常に快適な移動となりました。
リクライニングとフットレストはこちらで調節するようになっています。
「Free Wi-Fi」
フリーの Wi-Fi も使えます。
あまり速度は早くありませんが、独自のコンテンツがあり、興味深かったです。
「斎宮」
定刻どおりに出発をして、軽快にスピードを上げていきます。
伊勢に派遣されていた「斎王」の御所であった斎宮。
周辺の菜の花畑がたいへん見事でした。
「カフェ車両」
2階建てとなっています。
上層階のほうが展望が開けていいんですけど、椅子がとっても貧相。
下層階に陣取ることにしました。
どんなメニューなんだろうと見たところ、
まったくもってつまらない…
松阪牛重はまぁアリにしても、松阪牛カレーはない。
だいたい伊勢志摩の海の幸を楽しめるようなメニューが貧弱というか、ないに等しい。
なんなんだろう、このソフトのだめっぷり。
どこが「上質のくつろぎ」なんだろう…
だいたい日本の企業が提供する上質や豪華さは、たいてい上質や豪華とは思えないですし、それどころか逆に貧しさすら感じます。
ハードはそれなりでもソフトがまったくダメというのがお定まり。
仕方なくビールとナッツだけを注文したところ、これもまたプラカップと安っぽい包装のものでなんとも貧相。
日系エアラインかっ!!
さっさと飲み干して、そそくさと自分の座席に戻りました。
上質を謳うならば、ちまちまとサービスをばら売りするのではなく、もう少し高価格でもいいから飲食サービス込みのパッケージとして販売できないものか。
上質感を演出するならウェルカムシャンパンぐらいあってもいい。
いや和にこだわるならば、寿司カウンターのようなダイニングカーとか。
まぁ愚痴はこれぐらいにしましょう。
徐々に回復してきた天気のもと、車窓の景色を楽しみます。
マニアにはたまらない伊勢中川のトライアングル。
大阪、名古屋、伊勢志摩方面へと3方向に線路が分岐するようになっています。
「耳成山」
伊賀の山々を越えていき、大和盆地へ入ると、右手に大和三山の1つである耳成山が見えてきます。
「宇治川」
宇治川を渡ると、京都まではすぐです。
宇治山田から京都まで約2時間の乗車時間。
シートは快適だったので、疲れを感じることはありませんでした。
予約が取れないという観光特急「しまかぜ」にようやく乗車できました。
ただ困難な予約をしてまで再び乗りたいとは思えない列車でした。