MAY/2021
近畿地方に住む者にとって、伊勢志摩は身近なリゾートです。
伊勢志摩と聞いて連想するのは、陽光きらめく海と空、新鮮な海の幸、そして伊勢神宮。
どこか心弾む響きを感じるのは、子供の頃の夏休みに一度や二度は訪れたことがある場所だからではないでしょうか。
大阪難波から伊勢志摩ライナーに乗り込みました。
カプチーノを買って、どこか心ウキウキ。
大阪難波駅を定刻(09:20)に発車をして、一路伊勢志摩へと向かいます。
大阪上本町と鶴橋に停車した後、次に停車する駅は伊勢市。
大和八木や名張などには停車しないという、まったくもって通勤色を排したリゾートライナーなのです。
「生駒山」
何度も書いておりますが、奈良への鉄壁の守りとなる生駒山系。
大阪方面からの侵攻を寄せつけない威風堂々ぶりにいつも感嘆します。
「大和川」
奈良に攻め入ることができる場所はこの大和川沿いしかないでしょう。
「三輪山」
山そのものがご神体。
大和の山々は畏まるように見上げる山はなく、低く身近に感じられるのがその特徴。
「倭(やまと)は 国(くに)のまほろば 畳(たた)なづく 青垣(あをがき) 山隠(やまごも)れる 倭(やまと)し美(うるは)し」
古事記にある大和礼賛。
この5月にこそ相応しいと思います。
好きですね。
この田植えが終わったばかりの早苗田。
鏡のように景色が映りこみます。
これぞザ・日本だなぁと。
「雲出川」
飽かずに5月の車窓の風景を楽しんでいると、大和から伊賀、そして伊勢へとあっというまです。
伊勢平野が伸びやかに広がっています。
「五十鈴川」
この上流には伊勢神宮。
どこか清らかな流れに感じます。
「鳥羽駅」
定刻(11:11)に到着。
大阪からは2時間弱という絶妙な時間配分で陽光きらめくリゾートの入口に到着します。
これより短いと日常となってしまい、これより長いと飽きてしまうように思います。
「さざえストリート」
鳥羽駅前にはさざえなどの焼貝を提供するお店が何軒もならんでいます。
この時期なので臨時休業中のお店が多い中、2店舗のみ営業をされていました。
そのうちの1つにお邪魔します。
「めかぶ」
焼貝の前にまずはめかぶで1杯やります。
酒は「うっかり八兵衛(三重県大台)」。
冷やでぐいとやるとたまりませんね。
「ヒオウギ貝」
そうこうしてると焼貝も到着。
「さざえ壺焼き」
大きさは少々小振りながら、味は期待どおり。
肝ってやつは、なんとも清酒に合いますなぁ。
軽く食事を終え、鳥羽の町を歩き始めます。
鳥羽は志摩鳥羽藩の城下町。
また江戸と上方との廻船の風待ち港としても大いに賑わったそうです。
そのため多くの遊女もいたそうですが、興味深いのは「はしりがね」と呼ばれた船行き遊女の存在です。
沖に停泊している大きな千石船へ、小舟に乗って近づき、船頭たちの相手をしたそうです。
時代によって、様々なサービスが生み出されるものだなぁと感心させられます。
海上安全の神様として知られる金毘羅さん。
海の近くにあるのであって当然かなと思いきや、昭和31年に建立されたものらしいです。
「鳥羽城跡」
九鬼嘉隆が築いたという鳥羽城跡へ。
この鳥羽城は海城と呼ばれるものの1つで、その中でも大手門が海側に突き出していたという珍しい城。
いかにも九鬼水軍のお城らしいと感じます。
こうした海城はこの鳥羽城のほか、桑名城や今治城、讃岐高松城など日本各地にありましたが、どれも取り壊されたり、埋め立てられたりして、昔の姿を留めているものはありません。
1つでも残っていれば、さぞや人気のスポットになっただろうにと悔やまれます。
本丸への階段を登っていくと、徐々に景色が開けてきます。
「城山公園」
突如、広場が現れました。
芝生が広がり、市民憩いの場となっているそうです。
まだ上にある天守台へと向かいましょう。
「鳥羽湾」
天守台もまた広場となっていました。
そこからは鳥羽湾が一望できます。
天気も良くて最高です。
「ミキモト真珠島」
小学校の修学旅行では、ここ鳥羽へも来ました。
鳥羽水族館とブラジル丸、そしてこのミキモト真珠島を見学をしたことを覚えています。
懐かしさがこみ上げてくる鳥羽なのでした。