MAY/2020
関門海峡の両岸の町(下関&門司)をぶらり散策して、再び小倉の町に戻ってきました。
小倉も門司も今は行政区分上、同じ北九州市となっていますが、1963年までは別の市でした。
門司市、小倉市、戸畑市、八幡市、若松市の5市が対等合併をしてできたのが北九州市であり、県庁所在地の福岡市よりも早く政令指定都市となっています。
僕が小学生だったときは、この北九州は4大工業地帯の1つとして学習したものです。
そんなことを思い出しながら、小倉の街を歩きはじめます。
おなかもすいてきたので、おいしいものがありそうな旦過市場へと向かいましょう。
小倉駅から旦過市場へは徒歩でもそう遠くない距離のようですが、この北九州市には都市交通としてモノレールがあります。
旦過までの料金も100円とリーズナブルですので、利用することにしました。
旦過まではたった2駅(0.7km)でしたが、乗り物好きには興味深い体験ができました。
1.旦過市場
旦過駅の改札を出ると、旦過市場はすぐです。
※旦過駅とは反対側の入り口である小文字通りから写真を撮っています。
小倉の台所とされる旦過市場。
中の通路は狭いので大勢の人出があると、肩ふれあうような様子となります。
そして戦後から時代が止まったような雰囲気。
たまらなくいいですねぇ。
大好きな鯨も売っています。
しかし今は痛風の身。
こんなものを買って帰ったら、飲んでしまうに決まっています。
指をくわえて眺めるだけにしました。
中心となる通りだけでなく、いくつかの通りが横にも伸びていて、さながら迷路のようになっています。
奥に進むと、これまたレトロ感あふれる商店が現れるなどして、なんとも迷い込むのが楽しいと感じるのです。
「とりかつ丼の黒兵衛」
歩いていて、なかなか飽きない旦過市場ですが、すっかりお昼どきです。
昼ごはんに良さそうなお店を見つけました。
ネットで調べてみると、かなりの人気店のようです。
「とりかつ丼」
店内はカウンター席のみとなっています。
看板料理であろう、とりかつ丼(並)を注文。
すると奥の厨房からは油でカツを揚げる音が聞こえてきました。
しばらくして厨房から揚がったばかりのカツが運ばれてきて、食べやすい大きさに包丁で切られていきます。
並とはいえ、カツは2枚も。それもなかなかの大きさです。
どれどれ、いただいてみましょう。
ほう、これはおいしい。
揚げたてのカツなので、もちろんサクっとしています。
そして鶏のカツということもあり、なんとも軽やかなのです。
ちょっと多いんじゃない?と思ったものの、ベロリとたいらげることができました。
「七味唐がらし」
こちらを入れて食べるといいとありましたが…
いやいや、そのままのほうがいいと感じました。
隣にある鶏肉店の主人が賄い料理だったものを出すようになったのがはじまりだそうです。
値段はとてもリーズナブルですし、味もとてもいい。
人気店であるのも納得です。
「小倉かまぼこ」
昼ごはんのあとは、もう少し市場をぶらぶら。
こちらも有名なお店だそうです。
カナッペという商品が小倉ならではのものらしいですけど、ごく普通に「とくとくパック(500円)」を購入。
味に満足、値段に納得。
ほかにも、そうしたものがたくさんあった旦過市場。
とても気に入りました。
2.リーガロイヤルホテル小倉
宿泊はリーガロイヤルホテル小倉。
小倉駅すぐの場所にあり、ペデストリアンデッキでつながっていて、アクセス抜群です。
「スーペリアフロア」
部屋のカテゴリーは、スーペリアフロアというの名前のごく普通の部屋。
普通に快適な部屋でしたけど、水まわりの清掃のチェックがかなり甘かったです。
こんな時期、宿泊者が少ないでしょうから、もう少し丁寧にしてほしいなぁと感じました。
窓からの景色。
こちらも可もなく、不可もなくといったところでした。
3.諭吉寿し
旅先での楽しみは何をおいても食。
国内旅行の場合は、寿司屋を選ぶことが多いです。
ここ小倉は玄界灘と瀬戸内海に面した土地です。
この地ならではの魚介や地酒を期待してお店に向かいました。
「お通し/ばい貝煮」
ひとまず生ビール(小)を注文して、喉を潤すとともにお通しをいただきます。
何を注文しようかと思案するのが楽しい時間。
「お造り盛り合わせ」
お造りの盛り合わせをお願いします。
「お嫌いなものや苦手なものはありますか?」
ガキじゃあるまいし。
好き嫌いなどあろうはずがありません。
店主にすべてをお任せします。
バランスよく選んでくれた魚介類はどれも美味。
とくにイシダイが美味しかったです。
「清酒/無法松(豊前小倉)」
小倉の地酒といえば無法松。
有名ですが飲んだことはありません。
ぬる燗でいただくことにします。
まずまずのコクとキレ。無難なお酒だと感じます。
「子持ち昆布」
なにか焼き魚か煮魚をいただきたいと伝えます。
いくつかおすすめを教えていただいた中から、あこうの煮付けを注文しました。
「これでお凌ぎください。痛風には悪いでしょうけど、酒の肴にはもってこいですよ」
そういって出してもらえたのがこちら。
煮魚が出来上がるまで時間がかかるだろうからという配慮。
こうしたやりとりが楽しいですね。
「あこう煮付け」
小ぶりなものを一匹か、それとも大ぶりなものの片身のどちらにするかを尋ねられて、片身にしました。
口に運ぶと、身はとても弾力にあふれ、躍動感のようなものを感じます。
そして引き締まった身からは天然の魚だからこその力強い味わい。
上品に煮付けされていますので、魚の旨さが見事に引き出されています。
「今がおいしい時期ということもありますけど、この関門あたりのあこうはとてもいいと思いますよ」
「清酒/西の関(豊後国東)」
清酒を飲まずして何をか飲まんや。
大分は西の関。
九州の清酒らしく、少し甘めな味わいですが、これもまた旅先での興というものでしょう。
「オコゼ」
さて、そろそろ握ってもらいましょうか。
まずは白身にしましょう。
「ヒラマサ」
「トリ貝」
「あこう」
煮魚にして良かったあこうを握りでもいただきました。
いやはや楽しい。
すっかり小倉の食を堪能しました。
なんともリーズナブルな料金にも満足して、お店をあとにしました。
「小倉城」
細川忠興によって築城されたという小倉城ですが、その後、九州探題ともいうべき役割を担った譜代小笠原家の居城となります。
徳川幕藩体制のもと、小倉藩15 万石の城下町の繁栄を見続けた小倉城。
四境戦争で落城の憂き目に遭うのはその後の話。
そんな歴史に思いを馳せながら、少し遠回りしつつホテルへと帰りました。